マイナス15度のなか、家出した猫が10日後に戻ってきた話


私事になりますが、ネット情報にとっっっても励まされた&救われた身として、少しでも同じく大切な猫ちゃんがいなくなってしまったかたの参考になればと思い、私のケースを綴っておきます。特にはじめての脱走でパニックに陥っている、または今まで必ず帰ってきていたのに3日以上が過ぎ、心折れてしまっているかたにぜひ読んでいただきたいです。私自身ももうだめなんじゃないかと何度も思いましたが、猫ちゃんはあなたが思っているほど遠くへ行ってません(断言)そして本当に強い!感激です...。ありきたりの言葉ですが、諦めちゃだめですよ!

1月最終日の晩、東京から一緒に連れてきた愛猫(3歳半 ♂)が気温マイナス10度を下回る天候のなか脱走。最低マイナス17度の予報も出る本当に厳しい週でしたが、10日後の未明に再会が叶いました。

まずは手短に背景を。ノルウェーに移住して早3年。治安もよく、緑が多い環境から春夏の時期に外出させることは何度もあったのですが、秋冬は室内飼いを徹底していました。1ヶ月と少し前に越してきたばかりの新居。ほかの住居者(4世帯)と共同の洗濯乾燥機が別室で半地下にあるという構造からバタバタ自宅と洗濯室を行き来しているうちに、わずかに開いていた玄関扉からすり抜けてしまったのです。私も風邪から回復したばかりでぼやぼやしていたのか、翌朝までいないことに全然気づかなかったんですね...。うちにはもう一匹、現地で引き取った猫がいるので「どちらかが見当たらないけれど、まあどこかにいるだろう」ということはよくあります。ソファの下にいたり、床暖ぽかぽかの洗面所の隅にいたり。またいないことに気づいた時も1日や2日帰ってこないことは稀にあったので、はじめはそこまで心配していませんでした。

ところが3日経っても戻らず、いよいよ心配になって捜索開始。まずはdyrebar.noというノルウェーの迷子ペットの掲示板サイトに写真とともに登録しました。フォーマットに従って猫の特徴、いなくなった経緯、場所、連絡先などを入力。

このサイトは"Savnet"(いなくなってしまいました) と"Funnet" (見つけました/預かっています)の2つで構成されていて迷子ペットおよび飼い主を探し出すのに役立ちます。掲載した情報は自動で作成されたPDFフォーマットをチラシ用にダウンロードすることが可能。もし見つかれば、見つかった経緯を書き足して掲載終了します(投稿はアーカイブ的なかたちで残る)Facebook上にもローカルの迷子ペット情報交換グループが複数存在するので、そこでも拡散。多くのかたから励ましの声、助言をもらえたにもかかわらず、1週間経っても目撃情報、戻ってくる気配はありませんでした。玄関の前にも餌のボウルと水を置くことを試みましたが、この気温では数十分もしないうちに凍ってしまうのです...。

どのサイトやブログを読んでも「500m以内にいることがほとんど。名前を呼びながら、日頃使っている食器や好きなおもちゃで音を鳴らしながらしつこく探す。室内飼いの場合、近くの住宅に身を潜めているが多い」とのことで一生懸命探しましたが、気配はゼロ。同時に「稀にテリトリーから外れて遠くにいってしまっている、土地勘がなく帰れなくなっている可能性もある」ということも目にしていたので、次第にマイナスの感情に支配されていきました。地面はツルツルに凍結、日中もマイナス5度以下のことがほとんどで、外を歩き回るにも20分が精一杯。「毛で覆われているとはいえ、こんな天候のなかで凍え死なないの?どこかで具合が悪くなって動けないのかも?今探しているエリアとは全然違うところにいたら?誰かの家に潜り込んでいるとしたらどんなに探しても出てくるわけがない...」等、所詮想像でしかないアレコレが頭をよぎるだけで、なんの手がかりも掴めないまま、やみくもに探し続けるのはとても辛かったです(経験したかたなら痛いほどわかると思いますが)

9日の金曜日、珍しく遅くまで外にいて深夜2時半を回った頃に帰宅。正直ほぼ諦めていて「ああ、また見つからないまま週末。もしどこかで生きていてくれて、暖かくなった頃にでもひょっこり戻ってきてくれればいいな...」と静かに思いながら、電柱に張ったチラシを横目に自宅前までやってきました。ところが、数時間前からまた雪が降り出したことにより、猫らしき足跡の集合体がくっきりとアパートのゲート近くに残っていることに気づきました。せっかく目も覚めているし、もう最後のチャンスとばかりに餌袋を取り出し、ガサガサと振りながら名前を呼んでみることに。すると、かすかに猫の鳴き声が!繰り返し音をたてていると、なんと路駐された車の下から一匹の猫が顔を出したのです。それはうちの猫でした。はっきりと認識してくれている様子でしたが、怯えていたので何度も隠れてしまい、抱き上げるのには少し時間がかかるも無事家のなかへ誘導することに成功!気持ち痩せていましたが(いや、すごく痩せていた)怪我もなく本当にほっとしました。10日間も凍えることなく生き延びていたなんて、そしてまさかこんなに近くにいたとは夢にも思わず、一晩は信じられなかったです。翌朝、チラシを回収していたら目の前を通りかかったお向かいさんが「お、見つかったの?いまちょうど、連絡先の紙をちぎりとったところだったよ。よかった、本当によかった...!」と声をかけてくれました。

振り返って思うことは、どんなにがんばっても日中探すのはとても困難だということ。猫が一番活発な深夜以降、とくに2時から朝方にかけてが最大のチャンスのようです。私自身、2時以降に探したのは出てきてくれた夜の1回だけだったので、最初からそうしてたらもっと早く見つかっていたかも?あとこれを鳴らせば絶対に駆け寄ってくる!っていう音を日頃からわかっておくのは大事だなと。うちの子の場合は餌(カリカリ)の音に加えて、大好きなレーザーポインターのスイッチ音。探しても探しても出てこないとそもそもこの周辺にはいないんだ...。探しても意味がないんだ...。と落ち込んでしまいますが、猫がテリトリー外から出ることが稀というのは本当のよう。案外近くでじっとしているということがわかりました。それからうちはつけてませんが首輪、また抵抗あるかたも多いと思いますが、マイクロチップの検討もかなり有効です(こちらは検疫の関係があったのでやってます。)首元に注射で埋め込む米粒ほどのチップで、専用の読み取り機でスキャンすればペット自身とオーナーの情報がすぐにわかるというもの。これで万が一のときも連絡もらえる可能性が高まります。多くの国で推奨、また義務化もされているようにノルウェーでもかなり浸透しているとのこと。

というわけで相当お布団が恋しかった様子の我が猫、再びぬくぬくの毎日を堪能しています。窓の外を覗き込んでいることも多かったのですが、さすがに懲り懲りしているのでしょう。もう一匹もおなじみの顔が帰ってきて嬉しそうです。ああ、本当におかえりなさい!(そしてくれぐれも戸締まりには気をつけたいと思います!)


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